冬の道は悪い。キャリーケースなんて転がそうものなら険路に次ぐ険路で階段の踊り場だけが一息つける郷里になる。 ニュースが嘘だったみたいに町が賑わうから騙される。でもそれがニュースに騙されているのか、現実の環境に騙されているのかは判別づけること…

火曜日の夜、ぼくはボタンを押すか押さないか、迷っていた。月曜日の夕方家に帰ってくると玄関にボタンが落ちていたのだ。 早朝から肉体労働続きだったぼくは疲れていて、ボタンがあることには気づきながらもそれを押すか押さないかなんて気にかける由もなく…

隣の壁の中身が気になって仕方がない。今私の肘が触れているこの白い壁が絶え間なく揺らいでいるのだ。 乾燥する時期にスマホを触っていると指が微弱な静電気を感じとってピリピリするように、肘が電気レベル2で揺らぐ。 困ったものだと部屋を出ると、隣の部…

辞書を貰った。感情表現語に特化したポケットサイズで持ち運びしやすい代物だった。ありがたい。 定義を知るのは楽しい。一番後ろから読み込んでいく人はそれなりに存在する。だから辞書は読書本になりうるのだ。 そのうち言葉を隠して定義の説明と五十音の…

もうすぐ正月が来る。毎年飽きもせずよく来るものだ。生真面目な性格なのだと思う。シルバーウィークみたいにあったりなかったりしてもいいのに。 正月にはめでたい風物詩が数多存在する。福袋やテイクアウトメニューが松竹梅でランク付けされているのはよく…

昨日でブログの記事数が300件を達成したらしい。そんなこととは知らずに書いた眼鏡の話が節目だなんて嬉し恥ずかしの感情がせめぎあったり合わなかったりする。 あと65件、今日を除いて64件書いてみてから更新のペースを落とすと思う。別の言い方をすると日…

眼鏡が欲しい。今かけている眼鏡のデザインがどうしようもないくらい気に入っていないのもあるが機能面でも度数を少し上げたい。 価格帯とデザインのシンプルさからゾフあたりで調べようとホームページを眺める。 しばらく調べていると手頃な商品がいくつか…

｢芸能人に敬称を付けても付けなくても冬の気温は下がる一方だから好きにしたらいい」 これはある番組でコメンテーターが言っていた言葉に見せかけた僕の言葉である。自己満足か無遠慮かに当てはまりにいくだけだ。 それはさておき、ペンが薬指の皮膚のささく…

室温が10℃を切りかけても暖房のスイッチを押さないくせに毎日浴槽にお湯を張る人間がいるということだけ書き残しておく。

水の温度に気を取られていたら一日が終わりかけている。 足を向けて寝られないほどお世話になった人が多すぎて立って寝るか出来ない逆立ちで寝るしかない始末。寝る前の彼らの幸福への祈りと感謝を果たせばベッドに寝そべっても良いだろうか。 敷布団を起毛…

歩道の端っこに立ち上がって電線を伸ばしている灰色の円柱を電信柱と呼ぶか電柱と呼ぶか、人間はこの2種類に分けられる。 巷では北関東と東大阪で呼び方が違うという噂もある。他の地方は知らない。おそらく電気が通っていないのだろう。 夜が深くなるとチョ…

敗者復活戦も良かった。ネタ後のキュウは幾年前かの金属バット並みに面白かったんじゃないだろうか。幾年前かの敗者復活戦を見ていないから知らないけど。 10年くらい前から芸人に傾倒しているような印象を持たれていると自覚しているが、全然そんなことはな…

間取りを見るのが楽しい。検索の際家賃は極限まで下げるか、健全な若者には縁のない金額まで跳ね上がるかの2択にした方が面白い間取りが出てきやすい。 縦横比が狂っているのかと思うくらい細長い家とか、共用廊下が部屋と台所の間を突き抜けている家が出て…

紙の日記帳にデタラメを書いていた頃、やたらとレモンタルトを多用している時があった。 レモンタルトは語感も良いし清涼感がある。何より外国の童話に出てくる気配を纏っているのが良い。 ロシア童話にはよく三人兄弟が登場する。ほとんどの場合上二人が高…

適切な言葉選びをする速さが足りない。一言考えるのに2時間かかるので、会話一人あたり四言として1日かけて4回しか会話ができない。不足の至り。 筋トレもサボり気味のセミ厳寒期の今、やっているのは悩みのでっち上げと仮眠くらいなもので、だからスピード…

何日か前に思ったこと。 横断歩道で初老を過ぎたくらいの成年とすれ違った。左手に白い箱を提げている。 そのケーキが入っていると思しき箱の上面には『5』と『6』のロウソクがセロハンテープでくっつけられていた。 なるほど、ホールケーキを購入したことが…

昨日の夜の夢がどんな内容だったのか靄がかって思い出せない。怖かったことだけは覚えていていて嫌な気分になる。眉間にシワが寄りすぎて鰐みたいになった僕の隣の席の子は映画のポスターみたいな絵を描いていた。 また同じような文言ばかり並べて文の流れに…

重たい布団が好きだ。 狭いところが好きなのとだいたい同じことなんだと思う。痛くはない程度の圧迫感と防御力上昇の実感があるから。 重たい布団という商品が販売されているくらいだから布団に重量を求めている層は存在しているということだろう。 重たい布…

幼稚園児の頃、地獄の絵本を読んだ。 針に覆われた山やグツグツ煮えた大釜といった絵とともに恐ろしい説明が続く、とても子供向けとは思えない絵本だ。おそらく今の児童達も目にしているのではないかと思う。 さまざまな地獄が並ぶこの本、最初に鬼の大王が…

視界のピントが合っていない部分で動くものが何なのかを当てるゲーム。答えはたいてい光の反射だ。 冷蔵庫に映る歯磨きの腕の挙動とか、メガネのフレームに映る前髪の揺れとか。 暇を認識する暇もないくらい呆けている時の暇つぶしとしてやってみると良い。…

親子がケーキを選んでいた。ショーケースに鼻先が接着しそうなほど真剣に選ぶ子供を、鞄の解れを気にしながら見ている母親。その後ろでバスク風のバスクってどんな意味だったけと思いつつ店内を見渡す僕、客は合計三人だった。 (※2+1=3という計算である) や…

出てくる言葉が軒並み誤用の会話をいずれ書くために、見かけた誤用をひとつ残らず書き残すからメモ帳が嫌がっていて可哀想だった。 下手の横好きならではの感覚だと思うけれど2ヶ月くらいかけて書いた2000字より15分で考えた600字の方が良かったりする。 こ…

長いことその状態になっていない期間が続くと、どんな塩梅だったか忘れてしまうものがある。起き抜けの喉の痛みとか腕の乾燥とかがそう。 秋の終わりがけから冬にかけて現れるそれら、ポケモンでいうところの状態異常。深刻なダメージというほどではないもの…

地元の駅 では全然ない駅で散歩する ビルがある ビルがあるので写真撮る 川柳って言うより無季語俳句って言うほうが格好がつく ビルは一階が写真館 二階から上はなんもない 聞いたことない名前の写真館 多分個人経営 二階から上の窓 全部暗い なんか怖い 昼…

道にある看板の全てが辻利に見えたらどうしよう。 どこもかしこも古風な景色。都市開発に失敗した元都みたいな様相でしかも迷いやすくなる。やなこと尽くしだけれど抹茶は美味しくて、抹茶は都価格だから高くて出費が尽きない、みたいな冗談が言えるようにな…

公園で話しかけやすそうな人がいたから話しかけてみた。ベンチの背もたれ部分を掴んで腕立てをしていたが、挨拶すると笑顔で朝と昼と夜の挨拶をいっぺんに返してくる。 人間くらいの大きさで人間みたいな見た目をしていて人間の言葉を喋っていたが、それは虫…

帰り道はだいたい下り坂。 下り坂で歩行のテンポが崩れてくるとき、脳内BGMと脳内に現れる歌詞が別の曲になる。そして別のBGMが同時再生され始め、自分の声の朗読も聞こえる。 こういった状況を文にして気持ち悪く広めていきたいのにのっぴきならない。

トッキンマッシュのザッピングラジオが突発的に聴きたくなる。Podcastで墓場のラジオのついでみたいなポジションに置かれているけれどザッピングラジオが最もお手軽。 世に溢れるラジオの中で一番お手軽なんじゃないかと思う。 といってもトッキンマッシュの…

今日は何もしていない。何もしていないと言うに相応しい無の一日だった。 どれくらいかと言うと、まず今日の出来事は何も思い出せない。そもそも何もしていないのだから思い出すものもない。記憶の引き出し開けっ放し。 一つ得たものがあるとするならば、風…

する必要のない緊張を均す為にめかし込んでいる。 先々の予定を放置して、漫才日本一を決定する大会の準決勝を見に行くわけだから興奮の一つやふたつは当たり前だ。 (そういえば)特別誰々を推しているだとかは無いが、近頃は錦鯉が決勝に居る姿だけが鮮明に…