道にある看板の全てが辻利に見えたらどうしよう。
どこもかしこも古風な景色。都市開発に失敗した元都みたいな様相でしかも迷いやすくなる。やなこと尽くしだけれど抹茶は美味しくて、抹茶は都価格だから高くて出費が尽きない、みたいな冗談が言えるようになる。
しかし看板が辻利に見えるだけだから実際はジョナサンとか工務店なのだ。本物の辻利を見つけ出すのは容易ではない。
安心して抹茶を飲みたいのなら、元都で現都の京の町に行くほかない。嫌なら青汁で我慢するしかない。
他の選択肢が見えないのに選択に迫られる状況をつくりあげる。辻利は罪深い。