あとたぶん“日記”も入る
以前読み終えて久しぶりに読み返した本である働く男(著:星野源)のなかには、『俺を支える55の○○』というコーナーがある。その内容は人生で影響を受けたものや好きになったものを55個挙げていくというとてもシンプルでわかりやすいものだ。
僕はこのコーナーがすごく好きだ。本文を一回読み返す毎にここは三回読み返す。もう読んだ文字数でいえば本文と同じくらいになっているかもしれない。
人の好きなものを知るのが好き、というわけではない。憧れの人が影響を受けたものを知るのは面白いが、好きな食べ物や仲のいいアーティストにまで興味はない。
すこし主題をずらしてしまうが他人からオススメされたものを読んだり聴いたりするのに至ってはむしろ苦手な方だ。
では『55の○○』何が好きなのかというと、バラバラのジャンルの物事がたくさん並んでいるのが良い。
雑誌に載っている各界の著名人が愛した食べ物や、グッズ販売ページの商品ごとの説明文も似た系統のものとして好き。
この“好き”の最たる例を挙げると辞書だ。僕は辞書を読み物として愛している。
辞書は異なる質を持ったあらゆる言葉が紹介されている不可算非売品カタログだから、見ていてこの上なく楽しい読み物といえる。
欲を言えば、読み物として特化させるために五十音順でない辞書があってもいいと思う。
実用性は皆無になるがページをめくるたび予想もつかない言葉の紹介が続く。想像しただけで脳から何か分泌されてきそうだ。
いま確信をもって言えることは『僕を支える55の○○』には辞書が入るということだ。