夜更ししないで、早く寝る

文を並べると文章になります。

雪国の海は色が汚い

物足りない料理に塩をかけることで幾度かの成功体験を得てしまったので、やや過度にしょっぱくなったトマトパスタを食べている。

 

休みの日は海に行くような連中はこういう時に海水を飲んでしまった記憶を思い起こしたりするのだろうか。僕は海に入ったことがない。

 

雪国は夏でも海に入って泳ぐより砂浜でジンギスカンに興じる方を優先させるらしい。僕は砂の上で肉を焼いたことがないしこの噂が本当かどうか知らない。

 

プールとか銭湯とか、思い返せばよく入れたものだと感心すると同時にぞっとする。自我と意識が発達した今となってはとてもじゃないけどもう入れない。すごく簡単に言うと潔癖の気が芽生えたわけだけど、潔癖アピールが往々にして鬱陶しくまた多くの人にとって大袈裟で矛盾を孕んだものに感じられることを理解している僕はそれを表に出さないよう尽力している。

 

これは個人の感覚だが決して“汚いものを触りたくない人”ではない。排水口のヘドロとか、窓枠に溜まった砂埃は触って掃除しなければならないし、そういったものが取り除かれていく様子は爽快感があるからむしろ家事の中では好きな作業だ。手を洗いながら蛇口を磨いて、手の水気を拭く頃にはすっかり水垢が取れてシンクに台所の壁が反射しているあの一連の流れのスマートさも気に入っている。

 

でもプールや銭湯はだめ。自分から行くことは無いにしてももしかしたら誰かに誘われるようなことがあるかもしれない。仕方がないから、痛いのは嫌いだけど彫り師を探すしかない。