春の様相
実家にミモザが飾られた。ミモザはミモザサラダとしてよく耳にするが、実際に生けられているのは花屋のほかでは初めて見る。
実家には植物がたくさんある。室内はポトスとか名前を知らない草が瓶に入っている。
今は何も生けられていない、ペンギンの形をした一輪挿しもある。ペンギンの頭頂部に穴が空いていてそこに花を挿す。謎の愛らしさに魅せられた母が購入した。
一輪挿しを作ったのは僕の大学の卒業生で、面識もある。一言二言交わした時の彼女の表層を掬って漠然と、こうなりたいと思ったのを覚えている。
そんなわけでミモザを飾る。ペンギンの一輪挿しではなくガラス製のポットに。
てっきりペンギンに挿すと思っていた。でもよく見るとミモザは2束あったのでこれだと二輪挿しになってしまうなとも思った。
ミモザはポットの中から空中に向かって傾いてゆらついていた。
生ける時に小さい花が結構落ちた。