でっち上げの箇条書き 倒置法添え
電源を切ったテレビの真っ暗な画面をずっと見つめている。この時僕はテレビをテレビではなく映りの悪い鏡だと思っている。
BGMがないとやっていられない。なのにCDのセットが億劫。なんだかもうどうしようもない倦怠感からか勝手に童謡を口ずさんでいた。
階段の一番上から扇風機を転がしたら、どれだけのパーツが無事に一番下の段まで辿り着けるのだろう。きっと外枠だとかプロペラは砕けてプラスチックの塊になってしまう。
それを想像すると、夏だと暑さに対抗する手段がなくなって辛いなあと思った。冬ならまだマシだろうな。秋でもいい。
秋というものはこの世に存在していないくらいの主張の弱さだ。それでも趣を過敏に感じ取りたい僅かな、それでいて強力な精鋭達が秋の風情を大事にするから秋は確かに存在する、のだと想像をめぐらせている。
公園では、切った爪が飛んでいくスピードで鳩が羽をばたつかせていた。それも直立で。