『逃がす』を選択できるほどの力は無い
小さめの蛾っぽいイキモノが家の中にいる。
昨日の夜、蚊の話を書いている時に気づいたが直接の害が無かったのでそのまま放置して寝た。
日中出かける時もパスタを茹でている時も、頭の片隅では『まだいるのかなあ』と思っていた。夕食を終えてザ・ギースの配信アーカイブを見ていたタイミングで視界に入ってきた。
やっぱり蛾っぽいなあ。
これが親指サイズのでかい蛾だったら何としても叩き潰す態勢に入るものの、実際は小指の爪ほどもないサイズ。
僕は黙ってノートを手に取り飛行する爪の軌道上に振り下ろした。
バチンという音の後にしばしの静寂、ノートを見るとまっさらな状態だった。
そしてイキモノを見失った。
また明日もエンカウントするだろう。