多分胎児の記憶みたいな荷造りの風景
性懲りもなく今日も荷造りをしている。段ボールに物を詰めて積み上げる。入っている物を大まかにマッキーで書く。次の段ボールに物を詰める。この繰返し。
小さめの段ボールだから四つ積み重ねられる。積み重ねた箱の高さは僕の立った時の身長よりは低く、しゃがんだ時の目線より高い。
四方に積み重なった段ボールに囲まれた中央にしゃがんで、ぼんやりと天井と壁の境目を見上げる。薄茶色の圧迫感と守られているような安心感、その二つの間でできる限り考えることをやめる時間を過ごす。これが最近のマイブーム。
荷造りという特殊な作業のさなかでこそ出来る金のかからない無意味な遊び。そこに価値は無くとも楽しみを見出すとちょっと良い刺激が生まれるかもしれない。