うそつき
夢見が良くない。起きた瞬間から記憶の鮮度が著しく落ちていくからつまり夢はなま物に分類される。
だからどんな内容だったかはちっとも言い表せない。色の数が少なくて視覚の全貌がぼんやり薄暗かったようなことだけは記憶の表面に張り付いている。
悩みがあるからそういうことになるんだろうか。最近の悩み、その心当たりを探るべく脳に入ってみたい。
さっきの一文は花粉症で「目を取り出して洗いたい」なんて言っている人のことを思いながら書いた。いかなる時も人を慮る所作で徳を積み上げる。
悩みといえば、どうも最近夢を見ない。