夜更ししないで、早く寝る

文を並べると文章になります。

悪口と好ましい趣味

電話が苦手だ。

急にかかってくる事への恐怖やコミュニケーション能力が尋常なく欠如している事に加えて、自分の声があんまし好きじゃないことも理由に挙がる。

 

電話を通すと声はちょっと変わる。

ここで「元々の声が好きじゃないなら変えられている方がいいんじゃないか」というのは見当外れの片腹激痛ヘソ茶沸かし意見である。

 

元々好きじゃないiPhoneの黄色い顔の絵文字がAndroid仕様になったところで嫌いなものは嫌いなのと同じだ。

(もし僕があの絵文字とか“草”を使い出したらそいつは偽物なので躊躇わず引き金を引いてもらって構わない)

 

自分の声というのはとにかく音質が面白くない。面白みがない。面白い声じゃなくても『外郎売』を一切の淀みなく朗読できる滑舌であればまだ好感度を下げずに済んだ。

 

あと思ったより音程が高いところも好きじゃない。初めて録音越しのこの音程の声を聞いた時、気持ち悪くなってしまった。

 

たいていこういった声だとか容姿の悩ましい話になると「周りは君が思ってるほど気にしてないよ」とまるでこちらが自意識過剰という言葉を知らないみたいな『助言』をくれる。

 

人からどう見えるかはそこまで気にならない。僕の場合自分の事は結構好きなので、自分の思う像とのギャップがどうにも気色悪くて能力値の振り直し欲求が高まる。

よくわからない人は未だ思春期真っ只中な奴だと揶揄していればいいと思う。

 

心の準備ができない電話は苦手だ。

その反動なのか何なのか、家の外でも中でも電話しているふりをするのは趣味になるくらい好きだ。

 

無意味感がグッとくる。無意味なものが好きだ。無意味な事をしていると声質とかどうでもよくなる。