夜更ししないで、早く寝る

文を並べると文章になります。

架空筆者 管川旭日

すごく困ることは立て続けに起こるもんだとつくづく思う。きっと一人ひとりによって違う『困ることが続く日』の周期があって、最近困ることが多いなあなんて思うときはその周期に当たっているんだ。今がそう。

爪切りは失くすし、普段ならギリギリ間に合う時間のバスは目の前で行っちゃうし、オムライスの卵を焼こうとして手が滑って溶き卵を床にぶち撒けるし、気分は最悪。一気にどかーんって『最悪』まで落ちるんじゃなくてじわじわ地面が溶けていって気がついたら一番下に居たみたいな『最悪』。

そういう『最悪』が一番嫌い。最悪のなかでも最悪って感じだ。

せっかく髪きれいに巻いて出かけようと思ったのに玄関開けた瞬間雨まで降ってくるし。

家を出る前だったのが不幸中の幸いってやつ?最近嫌なことが多かったせいで良いことのハードルがどんどん下がっている気がする。

アディダスのスニーカーは濡らしたくないから、去年の梅雨以来長いこと履いていない長靴を出して足を入れる。

左足を差し込むと、土踏まずに異物感があって気持ち悪い。

靴下を半分持っていかれながら長靴を脱いで逆さまにすると50円玉が玄関の床に落っこちて、初詣でお賽銭投げ込んだみたいな音がした。

今回の周期はこの雨が止むころには終わるかもしれない。何となくそう思って50円玉をポケットに入れた。

 

靴と傘の用意に時間を取られてバスに乗り遅れた。