夜更ししないで、早く寝る

文を並べると文章になります。

でも不思議と漫才は混ざらない。

同時並行で別の小説を読んでいると、異なる世界観の異なる展開が混ざり合って混乱することがある。一冊に集中すればいいのだろうが、読みたい本がたくさんあると一気に情報を摂取したくなるからいつも何冊かを手に取ってしまう。

タイトルと装丁から予測しておそらく似たテイストの本を一節交代制で読んでいたら、読破後は何とも形容し難い不安定な感覚に襲われた。

両方ロボットと人間の共存が描かれており、主役の諦観ぶりがよく似ていたので結末も明確に分けられない。我ながら気持ちの悪い遊びだと思う。

見たり聞いたりしたものが混ざるということはよくある。映像はこちらが大して努力しなくても受け取ることができるのでそうでもないが、中身のあるトークは聞き取って理解するために神経を使うので情報が交錯しやすい。きっと世の中の情報の中で一番混ざりやすいと睨んでいる。

さまざまな口達者のエピソードトークが情報的洪水として脳を占めるうちに、あたかも自分自身も似たような体験をしたという記憶にすり替わっていく。

真空ジェシカという人力舎の激烈おもしろ漫才師のネタ“ペーパードライバー講習”における登場人物の「前の車を運転していると思った」という感覚がそれにほぼ等しい。

だから僕はずっと昔から車の運転が怖い。